2009年7月31日金曜日

家宝公開

デッサンの達人,陣内利博 先生(武蔵野美大)による私の似顔絵.数年前に,手帳にさらさらって描いて,はいどうぞって下さったものを,スキャナで取り込みました.プロって本当に凄いよね.日頃から物を見る目が普通の人とは違うみたい.





2009年7月29日水曜日

最近の県立高校の説明会

知人から聞いた伝聞だが,地元県立高校の説明会が熱いことになっているらしい.通常なら,高校内の体育館でやりそうなところを,敢えてちょっと離れた,つくば国際会議場の大ホールで開催.しかも,出席者数の関係から,午前と午後の部の2回に分けて.

先生の説明は15分くらいで,後は,在校生が説明するんだって.その際に,バックの大スクリーンに,説明中の生徒の名前が大写し.その生徒を知る人には「あの子もあんなに立派になって」と強烈な印象を残し,本人のモチベーションも大アップ.

そして余興にブラスバンド部登場.楽器を振り回しながら,しかも演奏もうまい.NHK大河ドラマのテーマ曲で親御さんの心を掴む.そしてその後,イケメン男子5名が登場で「嵐」.マイク片手に客席まで下りてきてのパフォーマンス.受験生予備軍の心を掴む.

TX(つくばエクスプレス)効果かもしれないが,新しい,若い息吹を感じます.

時代は変わっている.我々も負けずに頑張らねば.

和泉宏隆さん(元T-Squareのキーボード奏者)のセクシーな楽曲と演奏

和泉宏隆さんが,T-Square時代に作曲した曲を,ピアノのトリオ演奏しているCDアルバムを発見.即購入.T-Square (T-が付く前から),何と美しいメロディだろうと思うと,和泉さんが作曲であることが多かった.あのような美しいメロディをどうやって「降臨」させるのか,とっても不思議.彼が弾く,キーボード,ピアノもまた,きらきらとした輝きがある.

ところで最近,米国では,coolというような意味でsexyという表現を使う.気の利いたことを言うような場面で.昔,はじめてcoolという表現を,冷たいという意味以外で使い始めた頃もそうだった.下記ながら思い出したが,昔,カナダ人から教わったが,cuteという語にも,coolとは違うが,そういうようなニュアンスがあると聞いた.「そのアイデアはcuteだ」のように使うらしい.でも同時に忠告された.君は使うのはやめとけ,きっとはずすから.今,日本人が,うまいタイミングでsexyというのは,すごく難しいだろう.使わない方が無難だろう.

でもそこを敢えて言ってみよう.和泉宏隆さんが作る楽曲,彼の演奏,sexyじゃありません?

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鳥山雄司 - Guitarist~Solo Guitar AOR Cover Album

坂崎幸之助さんのラジオ番組で,ギタリストの鳥山雄司さんがアコースティックギターアルバム作成の様子を話しているのを聞き,聞きたくなって購入.

Eギターが専門の人がAギターを弾くと,奏法の関係か,フレーズの癖か,Eギター色が入ってしまう人が多いが,この人のAギターは,Aギター専門家のよう.

鳥山さんは若いときに1日12時間,2年間練習したそうだ.おそらくEギターを中心に.

今回のAギターアルバム,1曲の編曲と練習に4日を要したとのこと.それだけ時間をかけても,こりゃ駄目でボツというものが何曲かあったらしい.プロの世界は厳しい.

付け爪してるって言っていた.フィンガーピックを使わないサウンド.奇をてらわない,素直なサウンドとアレンジ,無駄のない音選び.

“AOR”がサブタイトルにもなっているが,選曲は我々40代向け.

Guitarist~Solo Guitar AOR Cover AlbumGuitarist~Solo Guitar AOR Cover Album
鳥山雄司

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2009年7月28日火曜日

ウサギさん,冷却中


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Originally uploaded by kzhk
ウサギさんにとって夏場における冷却は,重要な問題.最近彼が見出したのは,サッシのレールの上.アルミ冷却&空冷.網戸,囓らないでね.

2009年7月11日土曜日

ウサギ 2009-07-11


ウサギ090711
Originally uploaded by kzhk

庭でウサギ君の写真を撮ってみました.

2009年7月8日水曜日

Scalaを選んでみた理由

河野さん (shinji_kono) on Twitter wrote:
> Scala Tutorial って機能の自慢みたいな感じで、大規模プログラミングでの、Scala の利点が良くわからない。Java から、Scala に、Refactoring するとかあるのかな。

加藤(kzhk) on Twitter wrote:
> @shinji_kono 現在うちのプロジェクトで,分散環境でVMを操る2万行規模のJavaコード(自前のクラウドコンピューティング基盤)をScalaで書き直そうとしています.プロジェクトメンバー皆でScalaの学習中.

中田さん(@hidemotoNakada )on Twitter wrote:
> @kzhk 楽しそうですねー.でも,本当にScalaでいいのでしょうか.などと (^_^).Scalaのパターンマッチ用のクラスはなんか気持ち悪いなあ...

仕様がかちっと決まっていて,大勢で開発のような場合はJavaもいいかもしれませんが,試行錯誤を繰り返す研究開発現場では,Javaの行数の多さ(もっと言えば,生産性の低さ)は以前から問題だと思っていました.方式を変えようと思っても(号令をかけても),簡単には書き換えられない.

Ruby, Pythonの生産性の高さは良いですが,静的検査がない.一人か,ハイレベルプログラマ少数が書く場合はよいかもしれませんが,ある程度の人数で分担して書く場合はちょっと不安.分散ソフトを書く際のActorsの生産性の高さは,以前にErlangでテスト済み.Erlangはよいのだが,Javaと親和性なく,当研究室環境で純関数型に付いていけない人は少なくないかも.関数型プログラミング経験がない人には習熟に時間がかかりそう.それから,実際に使ってみるとエラーメッセージが不親切.

Scalaをしばらく試してみたところ,結構良さそう.Martin Oderskyの言語設計能力にはかなり感銘を受ける.過去のJavaコード資産がすべて使え,Ruby相当の生産性と習得時間,静的検査あり.Actors (Remote Acotors)機能あり,テキストも揃いつつある(下記参照).元々,個人的に関数型言語は好きだが,クラウドコンピューティング時代は関数型言語が重要性の増すとの直感在り(更新よりも追記,微視的よりも巨視的プログラミング(MapReduce等)).

以上のような考察から,経験を積むことも兼ねて.Scalaでトライしてみることにしました.

テキスト:


Programming in Scala: A Comprehensive Step-by-step GuideProgramming in Scala: A Comprehensive Step-by-step Guide
Martin Odersky

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開発者自らが書いており,言語設計およびプログラミングの哲学まで語られている.ページ数が多く(本文685ページ),読むのに時間が掛かるが,よい勉強になる.



Beginning ScalaBeginning Scala
David Pollak

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プログラミング経験は豊富だが,あまり関数型プログラミングの経験はなかったベテランプログラマによる書.例題が豊富で,手軽な分量(290ページ).高速に読め,実用的.

P.S.
チームで中規模以上のソフトウェア作りをするとき,生産性の低い人はJavaで書いてはいけない.問題が生じたときに書き直せないから(書き直す気力と時間がない).Ruby, Python, Lispで書いてもいけない.規範ないコード,特定の場合でしか動かないコードを書いてしまうから.では,初級プログラマはどうしたらよいのか? 頑張って,腕をあげよう.そのためには,書きまくり,よいプログラムを読みまくり,コードの書き方を学ぶのだ.楽器演奏の習得に似ている.自分で楽器を弾きながら,うまい人がどう弾いているのか,学ぶのだ.自分の演奏を聴いてもらい,コメントをもらうのだ.私の経験だと,プログラミングがある程度できるようになっても,一つの新たな言語を使いこなせるようになるのに,一年を要する.

2009年7月5日日曜日

Amazonの追徴課税問題に関するクラウドコンピューティング的考察


朝日新聞7月7日朝刊記事より:アマゾンに140億円追徴 国税局「日本にも本社機能
http://www.asahi.com/national/update/0704/TKY200907040278.html

この問題を簡単に説明すると,Amazon.co.jp(日本)の所得をAmazon.com(米国)の所得として計上し,米国に法人税を納めていたことを東京国税局が問題視し,05年12月期までの3年間に日本国内で発生した所得のうち,応分を日本に支払うべきだったと指摘.無申告加算税と延滞税を含めて1億1900万ドル,当時の為替レート換算で約140億円の追徴課税処分を課したというもの.アマゾン側は米国に納税しており,日本側の指摘を不服として日米の二国間協議を申請.日米の税務当局間で現在,協議中という.

つまり,これまで,Amazonの日本における売り上げは,米国におけるそれと合算されていたのだ.我々がamazon.co.jpから購入すると,実は,amazon.comから購入するのと同じだったのだ.

日本と米国で税率はほぼ同じらしいが,分散して払うよりも,まとめて払った方が税額を安くなるらしい.このような「テクニック」は以前から知られており,問屋(といや)商法と名付けられている.古風な名前だ.

> 米関連会社はアマゾンジャパンに販売業務を、「アマゾンジャパン・ロジスティクス」(千葉県市川市)に物流業務を、ともに委託して手数料(コミッション)を支払う一方、それ以外の大半の中枢機能は米側に集中させていた。問屋(といや)(コミッショネア)商法の一種とみられる。

問屋商法の解説が下記中にある.
http://www.asahi.com/national/update/0704/TKY200907040278_01.html
> 〈問屋商法〉 進出先の現地法人には販売などごく一部の業務に限定させる一方で、在庫の管理や為替変動などのリスクとともに、管理部門も本国に集中させてコストを削減することで、利益の最大化を図ることができる。米系の多国籍企業などに近年、採用されるケースが多いとされるが、進出先の国にとっては課税対象になる所得の流出につながる側面がある。

Amazonは一般消費者向け小売りをインターネット上で展開している訳で,その取扱い数は膨大,簡単にはできない.Amazonはクラウドという,一種の集中システムを作り上げているために,膨大な商品の種類と数を扱いながら,世界規模でこのようなことが可能になった.

そしてこのようなことをやっている可能性は日本だけではない可能性は高い.もしかしたら,国別に最適化し,安くなるかどうかで,米国集中させるかどうかを分けているかもしれない.

Asahi.comによると,売り上げを合算すること自体は合法的のようである:

> 日米租税条約では、米企業が支店など「恒久的施設(PE)」を日本国内に持たない場合、日本に申告・納税する必要はない。アマゾンは市川市に物流センターがあり、仕入れた書籍などが置かれている。

> こうした倉庫はPEに当たらない。しかし国税局は、
  1. >米関連会社側のパソコンや機器類がセンター内に持ち込まれて使用されていた
  2. >センター内の配置換えなどに米側の許可が必要だった
  3. >同じ場所に本店を置く日本法人ロジスティクスの職員が、米側からメールなどで指示を受けていた
  4. >物流業務以外に、委託されていない米側業務の一部を担っていた
>――などに注目。センター内にPEが存在するとして、05年12月期までの3年間に日本国内で発生した所得のうち、応分を日本で申告すべきだったと指摘した模様だ。

つまり,「恒久的施設」があるかどうかがポイントのようだ.おそらく,サーバが日本にあると,確実にアウト(違法).これはクラウドでクリア可能.しかし,クライアントパソコン,周辺機器があったら駄目ということで,これは避けようがない.つまり,クラウド化だけでは所得合算は合法にならないというのが,東京国税局の判断.

日米の二国間協議中のようだから,この先,どうなるか,興味深い.

本件,誰が得か損か考えてみよう.
・アマゾン社:税金が節約できるので得.
・日本国政府:税金流出なので損.
・米国政府:税金流入なので得.
・日本の消費者:税金節約のおかげで商品価格や運送価格の設定が安くなっているとすると一見,得.しかし,大局的に考えると,我が国に来るべき税金が海外流出してしまっているので,損.

もし,クライアントパソコンや周辺機器があっても「恒久的施設」にはあたらないということになれば,これはかなりインパクトのある結果となる.クラウドコンピューティング技術を持つ国は,税金という形で,世界からお金を集められるからだ.米国は,この方面で圧倒的に優位.しかも不況で税収が落ち込み財源不足,しかし,景気浮揚・失業対策のため,大きな公共投資をしようとしている最中.とすると,日米二国間協議で,米国が有利になるように強く交渉してくる可能性は高いかもしれない.

(以下は2009-07-06に追記.)

アマゾン側の立場に立って,どうしたら「アウト」にならならいか考えてみよう.上記1~4の条件をくずせばよい.

1.PCを持ち込まず,PCとはいえない,Thin ClientあるいはWeb Browserだけが動く計算機環境をデータは日本側に置かない.(おそらくデータキャッシュはよいであろう)徹底的にクラウドにする.「機器類」がプリンタを含むとちょっと苦しい.オフィスソフトもクラウド版を使わねばならないとすると,可能性はあろうが,現状では,実際は苦しいところがあるだろう.

2.「配置換え」が何を意味するか分からないが,「配置換え」に関する指示は米国の許可を必要としないようにする.おそらく,委託先(アマゾンジャパン,アマゾンジャパン・ロジスティクス)に権限を持たせればよい.

3.米側からロジスティクスへの直接メールはやめる.

4.物流業務以外をロジスティクスにやらせない.

この方面の素人による考察であるが,出来る可能性はありそう.

産業界は,新技術を開発しながら「隙間」を突き,新市場を開拓あるいは奪取してきた面がある.市場(占有率)というものは,簡単には取れない.新たな市場を創出できると,大きく発展して,勝ち組になれる可能性がある.Googleもそう,思い起こせばマイクロソフトもそう.スターバックスやマクドナルドもそうだ.日本においては,発表酒,ユニクロ.

数々の新しい道を切り開いてきたアマゾンであるから,今回の問題も,米国政府の追い風を受けて,道を見出す可能性はある.そして,Amazon Web Serviceのパターンのように,そこで得られたノウハウをシステム(あるいはコンサルテーション)として,売り出すかもしれない.

クラウドを制するもの,世界を制する,かもしれない.

最後に,気になること.グーグルは問屋商法をやっているのだろうか? モノの物流がないから,同商法を必要としていないのかもしれない...クラウド,恐るべし.