2009年6月28日日曜日

米国ハッカー界の層の厚さを思い知る:RailsConf 2007


RailsConf 2007
Originally uploaded by kzhk
この写真は2年前,私が RailsConf 2007 (Ruby on Railsに関する会議,オライリー社主催)に出席した際のランチタイムの風景である.場所はオレゴン州ポートランド.参加者数約1600人.参加者は皆,個人ベースかベンチャーの開発者風.その層の厚さに圧倒された.IBM, Sun, Amazonの大手に混じって,ベンチャーもブースを出展,37Signals社(Rails開発のきっかけとなったBasecampを開発,Rails作者のDavid Heinemeier Hanssonは社員),Twitterの開発者らも出席.Railsだけでこれだけ集まる層の熱さに圧倒された.

以下,2年前を思い出しながら,感じたことを箇条書きで.

・冒頭,会議を起こしたChad Fowlerが,「グル」の風情を漂わせて登場.なぜか手にはウクレレ.これが会議の雰囲気を象徴していると思う.

・この年は,Twitterがサービスを始めた翌年.まだそれほどユーザは多くない.ちなみにTwitterはRailsで当初書かれた(今はScalaで大部書き直されているらしいが).会議の冒頭,ChadがTwitterでRailsConfについてつぶやこうと言いだし,急きょTwitterアカウントが作られた.下記をフォローすると,逆フォローしてもらえ,皆のつぶやきが見られる.セッションスクリーンの横に,Twitter画面を表示するスクリーンが設けられた.

・会議は3セッション並列.参加者数は1600だから,3並列でも,500人位が聴衆.つまり,書くセッションが大きな国際会議級.参加者はほとんど米国人のようで,日本人参加者は20名位.

・Rails作者のHanssonの話はさすがに良かった.グル・タイプとは違うカリスマあり.クールな2枚目タイプ.上記のrails2007ページで写真が見られるので,ぜひどうぞ.彼のようなタイプが日本にも出現したら,プログラマに対するイメージ,変わるだろうな.

・会議中,日本人へのrespectは明に暗に感じられる.海外の会議でこのような空気を感じ取ったのは,初めてかもしれない.誰かのスライドに「良いものはいつも日本から来る」と書かれていた.外国人にそんなこと言って貰えるなんて,思ってもいないよね.

・会議のホームページの写真はよく撮れている.これはJames Duncan Davidsonというプロの写真家.オライリー主催の会議の写真を良く撮っている.彼はハッカーを撮るのが非常にうまい.そういう写真家が米国にはいるのだ.日本にも欲しい.

・1日目の夜だったが,「ハッカーコメディアン」(named by kato)による公演.2時間に渡り,ハッカーネタで客を笑わせ続けていた.こんなところも層の厚さ.

・2日目のランチタイム,突如,Punk Brass Band (named by kato)が出現.パンクっぽい衣装をまとった男女が,歩きながらブラス演奏と大きな旗振り.リーダーらしき人が,ハンドスピーカに自作と思わしき怪しげな装置を付けて,辺りを走り回りながら,パンクな音の味付け.旗振り男女のダンスも挑発的.おもしろかったのは,これは,会場の許可をとっていなかったらしく,会場の責任者らしき人が出てきて,メンバーと小競り合いを始めた.途中で,オライリー社員らしき人が割って入って,何とか収めて,お開き.あー,良いもの見せてもらった.

・上記の様子からも分かって貰えると思うが,あちらのハッカーの皆さんは,楽しみながら,かつ,とても真面目.そして圧倒的な層の厚さ.ああいう雰囲気に日本にも作りたかった,もとい,作りたい.

以上の話を記録に残しておきたかった.書くとすっきりするね.GTD.